サウンドボード SE-90PCI

2011年 5月 7日(土曜日)

 視覚障害者のパソコン利用の1つに合成音声がある。
私は、その恩恵にあずかるようになって、ずいぶんになる。
今回、始めて英語の合成音声を使ってみようとまじめにトライを始めている。
さて、いきなり結論を書いてしまうのだが、今回のトライアルは失敗だったといってよい。
ということで、これでお話は終わり。

はじめに

 私はスクリーンリーダーにJAWSを用いている。
このスクリーンリーダーは、アメリカがお家元でして、ということは、主たる言語は英語ということになる。
ということは、そちらの合成音声を用いれば、かなりアメリカンなネイティブ・イングリッシュで英語を読み上げるのではないかと思ったのだな。

Samantha

 Samanthaという名前の女性名の合成音声をダウンロードで入手。
それを組み込んで、英語の文書を読ませてみた。
「なぁるほど、これがアメリカンイングリッシュなのかぁ」

 しかし、英語が全然聞き取れない私は、これだけでは手も足も出ない。
そこで、Kyokoという日本人女性の合成音声も併せて組み込んでみた。
こうすることで、確かに日本語は日本語で、英語は英語でしゃべるようになった。
ところが、英語の合成音声が日本語を組み込む前より、音の切れ味が悪くなったというか、ぼやけるようになったというかな、とにかく、ただでさえ聞き取れない私は、さらに聞き取れなくなってしまった。

 そこで、同じ事をサブのパソコンでもやってみた。
ところが、こちらの方は、それほど音質が落ちなかったのだ。
そこで、もしかしてこれは音源ボードに原因があるのではないかと考え、マザーボードのオンボード音源を取りやめ、別に音源ボードを組み込んでみることにしたのだ。

サウンドボード

 たまたま、行ったショップにこれと、エントリーモデルと書いてある安いのとしかなかった。
店員さんに聴いてみたら、安い方は、基本的にオンボードサウンドと変わらないか、ものによってはそれ以下ですよということだったので、しかたなくそれより4倍以上お高い方を買うということで、手を打った。

プロセス

 とりあえずパソコンを起動し、まずJAWSを削除。
次にオンボードサウンドのドライバーも削除。
BIOSにオンボードサウンドの仕様可不可のスイッチがあれば、それも不可にしておけとあるので、調べてみたが、どうやらそれはないようなので、そのまま電源オフ。
背面のケーブル類のすべてを外して、パソコンのケースを開いて、PCIスロットにSE-90PCIを差し込みネジ止めをしてできあがり。
パソコンを再起動して、専用ドライバーを組み込んでから、JAWSをもう1度セットアップ。
スピーカーから聞こえる音楽は、確かに良くなったと思った。
けど、JAWSの音声はどことなく聞き取りにくくなったように思った。
まさかとは思ったが、それを無視して、英語合成音声のSamanthaを出してみた。

愕然

「えっ!うそ。全然良くない。
Samanthaだけなら、まだましだけど、日本語のKyokoと取り合わせたSamanthaは、改造前と全然変わらない。つまりどことなくぼやけた音質なのだ。

 そこで、もう1度JAWS本来の合成音声に戻してみた。
やっぱりだ。
音の立ち上がりが悪いのだ。
文字を1つ1つカーソルでたどるととさらに聞き取りにくくなるのだ。
例えば、「あいうえお」と一気に読ませるとそれなりに「あいうえお」と読むのだが、カーソルで「あ」「い」「う」とたどると「 んあ」「 んい」「 んう」といったふうに、ほんの一瞬の無音の後、「んあ」と声が立ち上がってくる、しかも「あ」ときれいに発音しきらないうちに発声をスパッとやめてしまうような具合なのだ。

 ボードからのサウンド出力は、ステレオミニプラグではなく、ピン×2の分かりやすい1カ所出力だけなので、接続を間違えることのない物で、これについては評価できる。
これまでのは、ジャックが6個もついていて、差し間違えたりしやすかったし、だいたいミニプラグというのは、簡単に抜けてしまうので、都合が悪かった。
ということで、そのあたりは良かったのだけどもね。

まとめ

 お値段の高い、このボードは、mp3サウンドなんかを再生させると、力を発揮するみたい。
だけど、合成音声を再生するには、不向きみたい。


Updated:2011-May-7; by 抹茶