2025年のエッセイ

ついでの本 2025年 3月 5日


ついでの本 2025年 3月 5日

 2023年8月5日。この日もめっちゃ暑い日でした。そんな毎日が続く中、ちょっと読みたくなった本があり、中古本のサイトで検索してみると、ありました。ものは心理分析系の本。2006年出版と、ちょっと古目でしたが、447円は魅力的。とにかく一度読んでみて、ここからさらに突っ込んだ話を……、と思うなら、改めて新しくて、さらに専門性の強い本を買えばいいだろうと、買い物かごに入れます。
ここで決済をしてしまってもよいのですけど、他にも読みたい本があったので、もう数冊……、十津川警部怒りと悲しみのしなの鉄道、長野電鉄殺人事件などなど、あの西村京太郎さんの小説なども買い物かごに入れていきます。
このあたりで決済をと買い物かごを表示してみると、なんと!送料無料に55円足りていません。これではいけません。もう一冊を!と、思いますが、“今読みたい”を満たしてくれそうな本のタイトルの見当がつきません。どうしたものか?と、古書サイトの検索窓に入れる単語を考えあぐねてしばし……。とりあえず、好きなSF作家、フィリップ・ホセ・ファーマーさんの名前から、フィリップと打ち込んで検索ボタンを押します。もちろん、在庫ありにチェックを入れての一覧が表示されるようにしてです。
検索結果を眺めてみますが、やっぱりファーマーさんの本は出てきません。だよなぁとあきらめ気分で画面をスクロールしていくうちに……、

貴婦人修業 / PhillipsTori

ISBN:4596332516 新書

販売価格:110円

ネットオフの決済済み画面より抜粋

と、出てきます。
 え!?貴婦人?修行?これは、一体何だろう?著者はフィリプストーリ……と、読むのかな?何の本だか分からない。とにかく出てきた中で最安値、お値段110円。どういう本なのか?調べるのも面倒なので、まあいいかで買い物かごに入れて、決済しちゃったのでした。

 その四日後、注文していた本が届きました。ゆうメールの中に単行本は一冊だけなので、それが目当ての本に間違いありません。すぐに本を裁断して、スキャナにかけます。
残りは、文庫本と、新書本。どれがどれなのか?本のタイトルを調べたいところですが、部屋がとにかく暑い!なにしろ冷房も暖房もないわけで、ネットで見ると、アメダスは36度を表示しているし、机の上の音声温度計は、そこまでいかないまでも、しっかり34度となっているわけで、扇風機を当てていても、もうとっくに汗だく。そのうち……、そう、たぶん来月……やろうと、目的の本一冊を読み取るとすぐ、OCR作業部屋から、エアコンのきいている自室に向かったのでした。

 それから1年後の、2024年9月27日。この日の朝、予定していた電話がかかりました。
「もしもし。はい、先日電話でお願いしていたタンスですが、一つを上下に分解しましたので、重量は変わりませんが、個数は増えています。ええ、はい、重量だけ、個数は関係ないのですね。わかりました。はい、30日の午後1時半です。予定通りでお願いします」
この電話については、 とある終活 2024年 9月30日 の内容を少し詳しく書いたものです。

 電話を切った後、昨日から読み始めた本、奇妙な棺/新・刑事コロンボを読み始めます。その昔、NHKで放映されていた刑事コロンボ。たぶん、放映されていたものは、全て見たと思うのですけど、“新”のつく刑事コロンボは、どうだったかなぁ?と……。
が、そんなことより、この本、たまたま古本サイトで見つけたとき、……これも、目的外購入だったのではないか……、つまり送料無料にするためのついでの本として買ったのでは……。OCRした日付、なんと2013年3月3日となっています。ということは、もう11年ほったらかしにしていた……(苦笑)。
いえいえ、これよりもっと強者のテキストファイルがOCRフォルダーには入っているのでして、……、ともあれ、これ、いったいいつどこから買ったものだろうか?と、家計簿フォルダーを開いてみると……。
ああ、やっぱりない!
2015年以前の書籍の家計簿ファイルを、うっかり消してしまっていまして……、しかもバックアップごとというぽかをやらかしたために……。ただ、さいわいなことに?どこから買ったものかは分からないものの、買ったのは、その1、2ヶ月前以内にちがいないことはたしかだろうと……。
というのは、使わない物は長く持たないようにしたからです。このポリシーは、 おかたづけ 2014年 8月24日 にあります。2013年は、もうそのやり方にしていますので、2013年3月3日にOCRをしているということは、その直近ということなのです。そして、OCRが終わった本は、遠からず資源ゴミとして出しているはずなのですね。とにかく、目的買いであろうが、なかろうが、届いた本は、できるだけすぐに、テキストデータにしているわけです。

 話を戻しまして、新・刑事コロンボを午前中に読み終え、その夜から、買ってから1年経った本、貴婦人修行を読み始めたのです。これはすごいことなのです。目的のために買った本ではない、つまり送料を無料にするために買った本というのは、気持ちは“ついで”なものですから、OCRをしてテキストファイルにはするのですけど、読まずに食べた。あれ?やぎさんゆうびんの歌詞になっている……、じゃなくて、読まずに……、開かずの扉ならぬ、開かずのファイルになっているって、とてもよくあるのです (苦笑)。

 貴婦人修行
ファイルを開いてすぐ……

貴婦人修業

トーリ・フィリップス作

古沢絵里訳

ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル

貴婦人修業 ページ1より

とあります。小説なのかな。ハーレクインというのは、聞いたことあるけど、こうしてミルのは初めて。いったいどんな物語なんだろう?とりあえず読んでみますか……。

 読み始めてすぐ、1520年フランスと、前置きされ、いきなり奴隷売買のシーンから物語が始まります。なんか、今読みたい気がしないなということで、数ページでファイルを閉じてしまいました。

 その二日後、朝から妻はコンサートに行って、夜まで。明日のタンス廃棄のための準備はすっかりできているので、丸一日、ヒトリでオフ。ならば、もう一度、あの読みかけの本を開こうということで、貴婦人修行をエディタに呼び出します。
やはり、半裸の若い女性の奴隷売買から物語が始まります。そして貴族の男性が、彼女を競り落とす……、ここまでは一昨日に読んだ内容。さあ、ここからどうなるのかなぁと、さして期待もせずに小説を読み上げる音声に耳を傾けているうちに、すっかり引き込まれてしまいまして、結局ラストの奥付まで……。
面白い!誰が書いたの?トーリ・フィリップス。他にも著書はあるのだろうか?と調べてみれば、ハーレクインからリリースされています。古本サイトで調べて見れば、全部ではないものの、数冊の在庫がみつかります。
どうする?買うか?
だめだ!10月から放送大学の後期日程が始まる。前期日程の成績は、情けなかった。また、あんな成績を取るつもりか?仕事を辞めて、どれだけでも勉強できるはずなのに、なぜああなった?ふぬけるにもほどがある!

 仕事を辞めた翌年、2024年春から、また放送大学に入学、今度は情報コースに在籍。ただし、今回は、心理学を学んだ2011年や、経済を勉強した2020年のときと違って、できるだけ卒業せずに在籍する不真面目学生!?をやるつもり。
やり方は、情報コースのコース科目を取らず、他の単位ばかりを取っていくという方法。こうすればいつまで経っても卒業のための単位がカウントされないので、卒業できないというわけ。
でも、だからといって、成績も落としていいというわけじゃない。なのに、あれではお粗末すぎる。後期は、ちょっと気持ち入れ替えていくぞぉ!と、している今、小説にうつつを抜かすわけにはいかない!

 ということで、後期が終わるまでの4ヶ月、気持ちをそらしていたのです。
後期の単位認定試験が終わって、まず、トーリ・フィリップスさんの小説を複数の古本サイトから取り寄せます。そして、届いた順に、読んで読みまくったのです。読んでみて、初めて気がついたこと、それは、タイトルにシリーズを示すものはありませんが、以下8冊は、この順序で、百年に及ぶ一つの壮大な物語となっているのです。
が、そのようなことを知らなかったので、手に入った順序で読んでしまいました。そして、なんと一番最後に読んだ本が、本来一番最初に読むべき、野に咲く白薔薇だったのです。というわけで、これを書いている今、もう一度野に咲く白薔薇から読み直しているのです。

トーリ・フィリップスさんの著書一覧
邦題原書名時台部隊
野に咲く白薔薇Three Dog Knight1487年イングランド、ノーサンバーランド
貴婦人修業LADY OF THE KNIGHT1520年フランス北部金の刺繍平原
沈黙の騎士Silent Knight1528年イングランド、ノーサンバーランド
身代わり婚約者Midsummer's Knight1530年イングランド、ノーサンバーランド
ハロウィーンの奇跡Halloween Knight1542年イングランド、ノーサンバーランド
水都の麗人ONE KNIGHT IN VENICE1550年イタリア、ヴェネチア
囚われの聖女The Dark Knight1553年イングランド、ホークスネスト城
道化師は恋の語りべFOOL'S PARADISE1586年イングランド、ウッドストック

 邦題では分からないのですが、原書のタイトルを見てみると、最後の1冊以外、全部 "Knight" が含まれています。つまり騎士の物語ということです。ええ、たしかにそうなんですね。これらの小説が、どこまで史実に忠実なのか?どれほど当時のイギリス、フランス、イタリアの文化を正しく描いているのか?これについては文化史の専門家にお任せするとして、読み手の一人としましては、とにかく興味深く読ませていただくことができてよかったです。思わずにやつくシーンもあり、いったいどうなるんだ!?とハラハラもいたしましたし、涙が流れてどうしようもなくなる物語の展開もあり、あっという間の8冊完読!は久しぶりのように思います。

 さて、これに気を良くしたものですから、OCRフォルダーには、ハーレクインの本が、他に22冊もあるようになってしまいました。もう、どんどん読んでいます。大学の次の学期が始まるまでに、読むぞぉ!と思っている今だったりするのでした。