一月の晴れた日は、四月の晴れた日より暖かい 2025年 1月16日
ついでの本 2025年 3月 5日
蜂蜜酒 2025年 3月25日
今年の冬は、降雪も少ないし、積雪はもっと少なくて、ほんと ラッキーです。このまま春を迎えてくれればいいなぁと期待しちゃうんですけど、まだ気が抜けないというか、やっぱり2018年ですよ。1月も残すところ1週間になった24日から降り出した三泊四日の大雪がありましたからねぇ。
一週間前、天気予報で“大雪”が予報されました。今シーズン、雪が全然だったので、ちょっとうっかりしていました。まさかのドカ雪に備えようと思っていた防災グッズがあったことを忘れていたのです。
すぐにネットを開き、検索すると出てきました。とりあえず氷点下のアウトドア用というほど徹底したものでなくてもいいだろう〜と、いくらか耐寒性能があるぐらいの寝袋。それがこれです。 [FLAME YARN(フレイム ヤーン)岩盤浴のような寝袋 収納カバー付] を注文したのです。
それは二日後に届きました。箱から出してみると、2018年の秋に買い求めた [メイダイ 暖暖あったか3WAYシュラフ] と同じようなものだろうと思いました。それを妻に見せて、もしもがあったらと説明して、クルマの後部座席に置いたのです。
理由は、大雪でクルマが身動き取れなくなったときに、少しでも防寒の役に立てばという気持ちからです。こう書くと、誰でも思い出すニュースがあるかと思います。わたしも2021年と2018年にそうなりかけたのですから。あのときは、さいわいに、スタックしたクルマによる立ち往生に巻き込まれることはなかったので、よかったのです。でも、いつそうならないとも言えません。備えあればなんとやらですよ、ねぇ。
あっそうそう、先週の天気予報による大雪は、こちらではショートブーツがちょうど雪に埋まる程度で、しかもその翌日にはほとんど路面から消えてしまうといったラッキー大雪で済んだんですね。
それにしてもこのエッセイのタイトルに偽りありみたいな内容です。枕はこれくらいにしておきましょう。
きょうは、先月から電力関係から告知があった、“作業停電”の日です。
お昼を食べてすぐ、それに備えます。
予報では曇りということでしたが、薄日がさして気温も1月中旬のわりには上がっています。太陽高度は正午でも30度そこそこ。ということは、晴れれば、南の窓から部屋の奥まで差し込む光で、外気温が5度でも、室内は暖房なしでも24、5度ということさえあるのです。それを期待しながら、暖房を切ります。
季節も冬が終わって4月になりますと、南中時の太陽の高さは60度と、ずっと高くなってきます。こうなりますと、朝夕を除いて日中のほとんどの時間、部屋の中に太陽光線が差し込むことはなくなります。仮に晴れて気温が4月にしては暖かい18度あたりになっても、夜の間に冷やされた建物が、室内まで暖めることは期待できません。ということは、せいぜい戸外の気温程度までしか上がらないということになります。
そういうわけで、いいお天気なら、1月の昼下がりの室内は、4月5月より、暖かいのです。
さて、予定の作業停電の時刻になり、電気がとまりました。空模様もそれに合わせる?というか、そもそも晴れて薄日がさしていたこと事態が天気予報を裏切るかのような大サービスだったのですけど、残念なことに雲が広がってきています。窓際が暖かいから肌寒いに変わりました。このままでは、室内に蓄えられた熱量が、失われてしまいます。ささやかな抵抗として窓にカーテンをかけてみますが、どれほどのものでしょうね?
作業停電は2時間の予定ということで、今回は、久しぶりに耐寒サバ威張る……、寒さに耐えてサバが威張ってどうします? をやってみようと……。(笑)
まず、防災グッズ置き場から持って来た、 [HIKENTURE エアーマット] を袋から出して、床に拡げます。次に、エアー注入口に専用の手押しポンプを接続し、空気を押し込みます。ほどよく膨らんだところで、ポンプを外して、エアー注入口に蓋をかぶせればできあがりです。
その上に、[メイダイ 暖暖あったか3WAYシュラフ] を袋から出して広げます。そうして寝袋の中に潜り込めば、耐寒サバイバルの始まりです。
30分を待たずに、寒いと感じるようになってきました。特に、背中が寒いのです。やっぱり、エアマットは、こういう耐寒状況に不向きなのです。背中の下、床との間にあるのは、空気で満たされた、ただのビニール袋です。背中の体温は、容易に拡散していきます。身体との接触面は、決して体温で暖まってはいかないのですから。
そこで、寝袋から出て、エアマットから空気を抜いて、ぺったんこに戻して、撒いてたたんで、収納袋に戻します。そして、その代わりに、 [ガマカ工業 収納袋付マルチエアーマット] を収納袋から出して、エアバルブを開きます。そうすれば、自動的に膨張し、ふわふわのマットに戻る!……のはず。
ところが、どれほど待ってもほとんど膨らみません。バルブは完全に解放されているのにです。ということは、マットの中の膨張剤……復元性の高い綿状素材が、空気を抜かれて、ぺったんこのまま長く置いておかれたために、ほとんど復元性を失っていると考えざるを得ません。これはどうしたものだろう?
10分経ってもほとんど膨らんだと言えません。エアバルブは、強制的に空気を送り込むようにはできていないのです。しかたないので、薄っぺらいままのマットのまま、エアバルブを閉め、その上に寝袋を敷いて潜り込みます。背中やお尻、かかとなどの骨が出っ張っている部分が、直接固い床に当たっているかのような状態で不快感を感じます。
でも、それよりも正直寒い!室内の気温は15度を下回り、13度になりました。寝袋の耐寒性能は、15度程度かな?と思うので、もう無理と判断し、寝袋から出て、ダウンジャケットを着込んでから、寝袋もマットもたたんで、元に戻したのでした。
ということで、耐寒大作戦は、大失敗に終わったのでした。(笑)
この程度ではサバは威張れないなぁ〜。真冬の対策を考え直さなければ……。
そういえば、真冬の1月に、15度を下回らない場所ってあるのかな?と、最も基本的なところに立ち返って調べてみました。とりあえず九州の鹿児島、2024年1月の気象データを出してみると、1日いきなり最低気温6.6で、のっけからだめ。では、沖縄県那覇では?とちょっと期待を込めて出してみると、1日は、最低気温16.6度でクリアしています。でも、翌2日が、13.6度で。アウト!。
そうなんだぁと諦め気分で石垣島を表示してみますと、おおむね大丈夫なんですけど、それでもあるんですねぇ、最高気温さえ15度を越えない日が……。24日の最高気温14.2度、最低気温12.0度となっています。
……ということで、真冬の野外を想定しての寒さ対策サバイバルは、今持っている装備では野外どころか、室内でさえ完全にノックアウトなのでした。
2023年8月5日。この日もめっちゃ暑い日でした。そんな毎日が続く中、ちょっと読みたくなった本があり、中古本のサイトで検索してみると、ありました。ものは心理分析系の本。2006年出版と、ちょっと古目でしたが、447円は魅力的。とにかく一度読んでみて、ここからさらに突っ込んだ話を……、と思うなら、改めて新しくて、さらに専門性の強い本を買えばいいだろうと、買い物かごに入れます。
ここで決済をしてしまってもよいのですけど、他にも読みたい本があったので、もう数冊……、十津川警部怒りと悲しみのしなの鉄道、長野電鉄殺人事件などなど、あの西村京太郎さんの小説なども買い物かごに入れていきます。
このあたりで決済をと買い物かごを表示してみると、なんと!送料無料に55円足りていません。これではいけません。もう一冊を!と、思いますが、“今読みたい”を満たしてくれそうな本のタイトルの見当がつきません。どうしたものか?と、古書サイトの検索窓に入れる単語を考えあぐねてしばし……。とりあえず、好きなSF作家、フィリップ・ホセ・ファーマーさんの名前から、フィリップと打ち込んで検索ボタンを押します。もちろん、在庫ありにチェックを入れての一覧が表示されるようにしてです。
検索結果を眺めてみますが、やっぱりファーマーさんの本は出てきません。だよなぁとあきらめ気分で画面をスクロールしていくうちに……、
貴婦人修業 / PhillipsTori
ISBN:4596332516 新書
販売価格:110円
ネットオフの決済済み画面より抜粋
と、出てきます。
え!?貴婦人?修行?これは、一体何だろう?著者はフィリプストーリ……と、読むのかな?何の本だか分からない。とにかく出てきた中で最安値、お値段110円。どういう本なのか?調べるのも面倒なので、まあいいかで買い物かごに入れて、決済しちゃったのでした。
その四日後、注文していた本が届きました。ゆうメールの中に単行本は一冊だけなので、それが目当ての本に間違いありません。すぐに本を裁断して、スキャナにかけます。
残りは、文庫本と、新書本。どれがどれなのか?本のタイトルを調べたいところですが、部屋がとにかく暑い!なにしろ冷房も暖房もないわけで、ネットで見ると、アメダスは36度を表示しているし、机の上の音声温度計は、そこまでいかないまでも、しっかり34度となっているわけで、扇風機を当てていても、もうとっくに汗だく。そのうち……、そう、たぶん来月……やろうと、目的の本一冊を読み取るとすぐ、OCR作業部屋から、エアコンのきいている自室に向かったのでした。
それから1年後の、2024年9月27日。この日の朝、予定していた電話がかかりました。
「もしもし。はい、先日電話でお願いしていたタンスですが、一つを上下に分解しましたので、重量は変わりませんが、個数は増えています。ええ、はい、重量だけ、個数は関係ないのですね。わかりました。はい、30日の午後1時半です。予定通りでお願いします」
この電話については、
とある終活 2024年 9月30日
の内容を少し詳しく書いたものです。
電話を切った後、昨日から読み始めた本、奇妙な棺/新・刑事コロンボを読み始めます。その昔、NHKで放映されていた刑事コロンボ。たぶん、放映されていたものは、全て見たと思うのですけど、“新”のつく刑事コロンボは、どうだったかなぁ?と……。
が、そんなことより、この本、たまたま古本サイトで見つけたとき、……これも、目的外購入だったのではないか……、つまり送料無料にするためのついでの本として買ったのでは……。OCRした日付、なんと2013年3月3日となっています。ということは、もう11年ほったらかしにしていた……(苦笑)。
いえいえ、これよりもっと強者のテキストファイルがOCRフォルダーには入っているのでして、……、ともあれ、これ、いったいいつどこから買ったものだろうか?と、家計簿フォルダーを開いてみると……。
ああ、やっぱりない!
2015年以前の書籍の家計簿ファイルを、うっかり消してしまっていまして……、しかもバックアップごとというぽかをやらかしたために……。ただ、さいわいなことに?どこから買ったものかは分からないものの、買ったのは、その1、2ヶ月前以内にちがいないことはたしかだろうと……。
というのは、使わない物は長く持たないようにしたからです。このポリシーは、
おかたづけ 2014年 8月24日
にあります。2013年は、もうそのやり方にしていますので、2013年3月3日にOCRをしているということは、その直近ということなのです。そして、OCRが終わった本は、遠からず資源ゴミとして出しているはずなのですね。とにかく、目的買いであろうが、なかろうが、届いた本は、できるだけすぐに、テキストデータにしているわけです。
話を戻しまして、新・刑事コロンボを午前中に読み終え、その夜から、買ってから1年経った本、貴婦人修行を読み始めたのです。これはすごいことなのです。目的のために買った本ではない、つまり送料を無料にするために買った本というのは、気持ちは“ついで”なものですから、OCRをしてテキストファイルにはするのですけど、読まずに食べた。あれ?やぎさんゆうびんの歌詞になっている……、じゃなくて、読まずに……、開かずの扉ならぬ、開かずのファイルになっているって、とてもよくあるのです (苦笑)。
貴婦人修行
ファイルを開いてすぐ……
貴婦人修業
トーリ・フィリップス作
古沢絵里訳
ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル
貴婦人修業 ページ1より
とあります。小説なのかな。ハーレクインというのは、聞いたことあるけど、こうしてミルのは初めて。いったいどんな物語なんだろう?とりあえず読んでみますか……。
読み始めてすぐ、1520年フランスと、前置きされ、いきなり奴隷売買のシーンから物語が始まります。なんか、今読みたい気がしないなということで、数ページでファイルを閉じてしまいました。
その二日後、朝から妻はコンサートに行って、夜まで。明日のタンス廃棄のための準備はすっかりできているので、丸一日、ヒトリでオフ。ならば、もう一度、あの読みかけの本を開こうということで、貴婦人修行をエディタに呼び出します。
やはり、半裸の若い女性の奴隷売買から物語が始まります。そして貴族の男性が、彼女を競り落とす……、ここまでは一昨日に読んだ内容。さあ、ここからどうなるのかなぁと、さして期待もせずに小説を読み上げる音声に耳を傾けているうちに、すっかり引き込まれてしまいまして、結局ラストの奥付まで……。
面白い!誰が書いたの?トーリ・フィリップス。他にも著書はあるのだろうか?と調べてみれば、ハーレクインからリリースされています。古本サイトで調べて見れば、全部ではないものの、数冊の在庫がみつかります。
どうする?買うか?
だめだ!10月から放送大学の後期日程が始まる。前期日程の成績は、情けなかった。また、あんな成績を取るつもりか?仕事を辞めて、どれだけでも勉強できるはずなのに、なぜああなった?ふぬけるにもほどがある!
仕事を辞めた翌年、2024年春から、また放送大学に入学、今度は情報コースに在籍。ただし、今回は、心理学を学んだ2011年や、経済を勉強した2020年のときと違って、できるだけ卒業せずに在籍する不真面目学生!?をやるつもり。
やり方は、情報コースのコース科目を取らず、他の単位ばかりを取っていくという方法。こうすればいつまで経っても卒業のための単位がカウントされないので、卒業できないというわけ。
でも、だからといって、成績も落としていいというわけじゃない。なのに、あれではお粗末すぎる。後期は、ちょっと気持ち入れ替えていくぞぉ!と、している今、小説にうつつを抜かすわけにはいかない!
ということで、後期が終わるまでの4ヶ月、気持ちをそらしていたのです。
後期の単位認定試験が終わって、まず、トーリ・フィリップスさんの小説を複数の古本サイトから取り寄せます。そして、届いた順に、読んで読みまくったのです。読んでみて、初めて気がついたこと、それは、タイトルにシリーズを示すものはありませんが、以下8冊は、この順序で、百年に及ぶ一つの壮大な物語となっているのです。
が、そのようなことを知らなかったので、手に入った順序で読んでしまいました。そして、なんと一番最後に読んだ本が、本来一番最初に読むべき、野に咲く白薔薇だったのです。というわけで、これを書いている今、もう一度野に咲く白薔薇から読み直しているのです。
邦題 | 原書名 | 時台 | 部隊 |
---|---|---|---|
野に咲く白薔薇 | Three Dog Knight | 1487年 | イングランド、ノーサンバーランド |
貴婦人修業 | LADY OF THE KNIGHT | 1520年 | フランス北部金の刺繍平原 |
沈黙の騎士 | Silent Knight | 1528年 | イングランド、ノーサンバーランド |
身代わり婚約者 | Midsummer's Knight | 1530年 | イングランド、ノーサンバーランド |
ハロウィーンの奇跡 | Halloween Knight | 1542年 | イングランド、ノーサンバーランド |
水都の麗人 | ONE KNIGHT IN VENICE | 1550年 | イタリア、ヴェネチア |
囚われの聖女 | The Dark Knight | 1553年 | イングランド、ホークスネスト城 |
道化師は恋の語りべ | FOOL'S PARADISE | 1586年 | イングランド、ウッドストック |
邦題では分からないのですが、原書のタイトルを見てみると、最後の1冊以外、全部 "Knight" が含まれています。つまり騎士の物語ということです。ええ、たしかにそうなんですね。これらの小説が、どこまで史実に忠実なのか?どれほど当時のイギリス、フランス、イタリアの文化を正しく描いているのか?これについては文化史の専門家にお任せするとして、読み手の一人としましては、とにかく興味深く読ませていただくことができてよかったです。思わずにやつくシーンもあり、いったいどうなるんだ!?とハラハラもいたしましたし、涙が流れてどうしようもなくなる物語の展開もあり、あっという間の8冊完読!は久しぶりのように思います。
さて、これに気を良くしたものですから、OCRフォルダーには、ハーレクインの本が、他に22冊もあるようになってしまいました。もう、どんどん読んでいます。大学の次の学期が始まるまでに、読むぞぉ!と思っている今だったりするのでした。
新・刑事コロンボ 奇妙な棺 / リチャード・レヴィンソン/ウィリアム・リンク
これをOCRしたのは、2013年03月03日 11自04分となっています。この日は何をしていたのだろう?と、日記を開いてみても、日曜日、曇り時々晴れとしか書いてありません。これはいいわけなのですが、業務日誌はしっかりつけていましたが、私的な記録はなおざりそのものでした (苦笑)。
でも、不幸中の幸いとでも言うべきことがありました。それは、うっかり消してしまった2015年以前の書籍の家計簿ファイルが、バックアップの更にバックアップ、念には念を入れて保存していたフォルダー内にあったのです。それをエディタで開いて2013年を開いてみました。でも、探している本の購入が記録されていません。もしかしてその前の2012年?と思って、開いて見ますと、ありました。それはなんと2012年6月11日。3冊買ったうちの1冊で、お値段105円。やっぱり送料を無料にするためだったことは間違いなかったのですが……。それにしてもなぜ、OCRを遅らせてしまったのか?それは今でも謎!……、謎解きするほどのもんじゃないってね (苦笑い)。
それはさておき、放送大学の単位認定試験が終わって、さあ読むぞ!と取り寄せた小説の中に、他にも気を引く1冊があったのです。
砦に立つ貴婦人
シャロン・シュルツェ作
石川園枝訳
ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス
東京・ロンドン・トロント・パリ・ニューヨーク・アテネ・アムステルダム
ハンブルク・ストックホルム・ミラノ・シドニー・マドリッド
ワルシャワ・ブダペスト
1ページ目より
これが面白かったものですから、作者の名前で検索しましたら、他に5冊あることがわかりました。まずブックオフから1冊、次いでネットオフから3冊、そしてブックオフから1冊、合計5冊をついでの本としてではなく、今読みたい本として取り寄せ、届いた順番に読んでいったのです。
そしてまもなく、気がついたのです。これら6冊は、中性イギリスを舞台とした騎士と貴婦人の愛の物語。結ばれるべくして結ばれる男と女の、まさにソウルメイトのストーリー。
邦題 原題 舞台 憂いの騎士 The Hidden Heart 一二一三年、春 ウェールズ辺境地方 誇り高き戦士 To Tame a Warrior's Heart 一二一四年 イングランド 眠れる竜 Heart of the Dragon 一二一五年、春北ウェールズ 金髪の守護神 The Shielded Heart 一二一五年、秋 ウェールズとイングランドの国境地帯 砦に立つ貴婦人 Lady of the Keep 一二一五年アイルランド 塔を守る貴婦人 Bride of the Tower 一二一七年 ノッティンガムシャー州、シャーウッドの森 物語は、憂いの騎士から始まります。時台は1213年の春。イギリス、ウェールズ辺境地方の小国、ロークレア。そこを治める城の城主を失い、たった一人のこされた子供、ジリアン。21歳の美しい乙女が勇ましくも国を治めようと奮闘する中、次々とやってくる侵略者の襲撃。ここに現る幼なじみ。見るからにたくましい騎士に成長していたが……。
この物語は、一話完結。めでたしめでたしのはず。なのですが、何か不完全燃焼感が残ります。それは翌年、舞台を変えて、誇り高き戦士へと引き継がれ、また眠れる竜というストーリーへも繋がっていくことになります。そして眠れる竜から登場した異国のイケメンもまた、金髪の守護神において、激しい恋に落ちるのです。これら4冊の原題に共通している単語"Heart"より、Heart四部作、……どこにも書いてありませんけど、……と勝手に思っているのですね。
では、砦に立つ貴婦人と、塔を守る貴婦人は?ということですが、いずれも憂いの騎士の二人の主人公それぞれと深く関わる人物による物語です。こちらはそれぞれ、一話読み切りです。
シャロン・シュルツェさんは、これで筆をおいたのでしょうか?調べてみました。どうやらもう1冊あるようです。For My Lady's Honor
これもまた、憂いの騎士に登場する人物のヒトリ、誇り高き戦士において主人公になる人物ゆかりの人物の物語のようです。ぜひ読んでみたい。そう思うのですが、残念なことに日本語に翻訳されていません。興味はあるのですけどねぇ。
さて、今回紹介している小説のうち塔を守る貴婦人以外の5冊に“蜂蜜酒”という飲み物がしばしば登場しています。蜂蜜酒とは?今まで聞いたことのないお酒の名前です。名前の通り、蜂蜜からお酒を作るのでしょう。が、いったいどんなお酒なのでしょうか?興味あります。
ブドウからお酒を造れば葡萄酒、ワインですね。日本酒は、お米からお酒を造ります。では麦からお酒を造れば……、ビールができます。
これらはどれも、同じアルコール発酵。でも、原料によって、できるお酒は全く別。いえ、同じ原料を使っていてさえ、同じお酒にはならないのでしょう。だから世界中にたくさんのお酒の銘柄があるんですよね。醸造酒の御託はこれくらいにしておくとして、とにかく一度飲んでみたい。そう思って、とりあえずアマゾンで、検索。注文、届きました。
スタクリシュケス 12% 500ml ミード 蜂蜜酒 リトアニア バルト三国 北欧 世界最古のお酒 Stakliskes
アルコール度数は、12%。ワイン並です。グラスに注いで一口含んでみれば、あまぁ〜。これが最初の感想。
たしかに蜂蜜のような甘さはあるのです。でも、蜂蜜まんまの甘さとはちょと違う。甘さの大部分は酵母に食べられ、それを原料にエチルアルコールが作られて……、あるったけの糖分全部が酵母に使われてしまえば、甘いはずはないのです。そう、残糖をいくらか残して発酵をとめたのですね。この残した糖分を甘いと感じているわけです。このあたり、どこで発酵をとめるか?が作り手の腕ということでしょうか。
そして、酸味もあるのです。これはもしかして乳糖?乳酸菌によるのか、それとも酵母が、ブドウ糖を分解するときの中間生成物であるクエン酸によるのか?
また、微妙に苦味もあります。蜂蜜に含まれるビタミン、ミネラルなどから来ているのかも?
そして口の中に薄く膜を張ったみたいな感じが残るのです。これは、蜂蜜の原料となる花の蜜の蜜ろうなのかもしれません。それにしても、この酒、なんて言う花から蜜を集めたのでしょう?